こんにちは、ヤスハラです。
2020年年金改正で決まったことのひとつに、
「短時間労働者への厚生年金の適用拡大」があります。
パートなどの短時間労働者の厚生年金への適用がどのように変わるのかについてお話しします。
「厚生年金の適用拡大」とは、
パート勤務をしている国民年金の第1号被保険者および第3号被保険者の人たちが、
第2号被保険者として厚生年金に加入できるようにしていこうということです。
さて、そもそも第1号・第2号・第3号ってどういう人のことを言うんでしたっけ??
国民年金の第1号被保険者は、一般に「自営業者や学生など」。
第2号被保険者は、「サラリーマン・公務員等」、
第3号被保険者は「第2号被保険者に扶養される配偶者」とされています。
しかし実際には、第1号被保険者の3割は非正規労働者。
第2号被保険者の2割も非正規雇用者であり、
「パート・アルバイト」と呼ばれる方の約3分の1は第2号被保険者なのです。
第3号被保険者の半数以上は専業主婦(夫)ではなく、その多くは非正規労働者として働いています。
このように、現代は、いろいろな働き方の人たちが、
第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者の間に混在しているのです。
こうした状況を背景に、
「雇用されて働く者は働き方や企業規模・形態にかかわらず厚生年金保険の被保険者となり、
基礎年金に加えて報酬比例給付による保障を受けるべき」
「労働者の働き方や企業による雇い方の選択によって不公平が生じたりすることがないようにするべき」
という考えのもと、政府は厚生年金の適用拡大を進めています。
具体的には、現在の
「勤める企業の従業員数が501人以上」
「週の所定労働時間が20時間以上」
「賃金の月額が88,000円以上」
という適用条件が、
2022年10月に「従業員数101人以上」へ、
2024年10月には「従業員数51人以上」の企業へ拡大されます。
では、これで第2号被保険者は新たにどれくらい増えるのでしょうか?
「101人以上」に緩和することで45万人増、
「51人以上」に緩和することで65万人増。
将来的に企業規模要件が撤廃されるとすれば、125万人が増えるのだそう。
会社員の夫がいる、第3号被保険者のAさん。
従業員200人の企業の工場でパートで働いています。
賃金は月額100,000円。年収にすると1,200,000円ほど。
厚生年金の適用対象にならない範囲で働いていますが、
2022年10月からは厚生年金に加入することになります。
「夫の扶養から外れないように働くのを減らそうか…」
「厚生年金保険料と健康保険料で手取りが少なくなるよね…」
「でも働くのを減らすと結局収入が減るじゃない!」
「これからお金がかかるし、いっそもっとたくさん働こうかな?」
このように悩まれる方が今後どんどん増えていくことになりそうです。