どこまで増える?貯金0の・・・

お世話になります。

風邪が長引いてしまう中西です。

日本銀行が発表している日本の個人資産は2016年3月末で1752兆円(国民1人当たり1398万円)もあるようです。

しかし、別の統計からは日本国内の家計の状態が年々悪化しているようにも見えます。

いったいどういう事でしょう?

金融広報委員会が毎年調査している『家計の金融行動に関する世論調査』

https://www.shiruporuto.jp/public/house/loan/yoron/tanshin/2016/pdf/yoront16.pdf

の結果を見ると、なんと単身世帯のうち半数近くが貯蓄ゼロの状態にあるようです。この値は10年ほど前までは3割程度に過ぎなかったのに、ここにきて着実に増加してきています。

年齢別で見ると、20歳代は6割近い人が貯蓄0状態・・

日本経済全体としては単身世帯が積極的に消費にお金を回し、景気浮揚効果が得られているのであれば問題ないどころか、大歓迎だと思いますが、ここ10年で景気が確実に上向いてきているかと微妙なのではないでしょうか?

という事は、単身世帯の貯蓄0状態の世帯の増加は、イマイチ消費の拡大にはつながってはいないといえそうです。

では2人以上の世帯はどうなのでしょうか?

https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/tanshin/2016/pdf/yoront16.pdf

何と驚いた事に、家族のいる家庭でも全体の3割は貯蓄ゼロ状態にあり、50歳代以上になっても3割近いご家庭が同様のようです。

年齢別の金融資産保有額については年齢があがるにつれて増えてきているので、貯蓄額が着実に増えてきていることは推察できますが、貯蓄ゼロの人は貯蓄ゼロのまま、ずるずると続いてしまう事も予想できます。

さらに驚いた事に年収別の貯蓄ゼロ世帯の割合です。年収が少ないと貯蓄ゼロ状態に陥る事は容易に想像できますが、年収500万超でも2割以上の人が貯蓄ゼロの状態にあり、年収1000万超えていても2割の人が貯蓄0なのです。

これらの事から分かるのは、『まだ若いから』とか『年収少ないから』とかいう理由で簡単には片づけられないという事です。

つまり年齢を重ねても、年収が増えても、貯金が無いという状態の方が意外に多いという事です。

貯蓄ゼロを解消するための特効薬はなかなか無いかもですが、多くの人がライフプランを計画的な貯蓄を実行することが大切だと思いますし、またその計画の良きアドバイザーとしてこれからも精進してまいります。

 

中西康修

 

 

年齢別

2017-11-20