こんにちは、ヤスハラです。
去る1月24日、厚生労働省は、2020年度の公的年金の受給額を19年度比0.2%上げると発表しました。
年金は少なくなる、少なくなると言われながら、やっぱり少しだけど増えるのか…
と思われる方もいらっしゃるでしょうね。
年金額は、賃金と物価の伸びによって決まります。
総務省が24日に発表した消費者物価指数は前年比0.5%の上昇で、
厚労省が計算に使う過去3年間平均の賃金上昇率は0.3%でした。
物価の伸びが賃金を上回る場合は賃金が基準になるため、本来であれば改定率は0.3%増になります。
しかし、年金の支給額を抑える「マクロ経済スライド」が、
2015年度と今年度に続き、3回目の発動となることが決定され、
それにより0.1%マイナス調整され、実際の増加率は0.2%となったのです。
この「マクロ経済スライド」って何なのでしょうか??
厚労省によると、「社会全体の公的年金制度を支える力(現役世代の人数)の変化」と
「平均余命の伸びに伴う給付費の増加」というマクロでみた給付と負担の変動に応じて、
給付水準を自動的に調整する仕組みだそうです…???!
結局、一般国民がよく分からない用語を作って、
景気の良くなっている局面であっても給付額をそれほど増やさない仕組みにしたんですね…。
「マクロ経済スライド」が導入されたのは小泉政権時代の04年。
年金の「100年安心プラン」の一環でした。
これによって給付額の抑制が進まなければ、年金積立金が減って、
将来世代に支払う年金が減ることになります。
しかしながら、当初の計画と比べると、年金額の抑制はそれほど進んでいません。
年金の所得代替率(現役会社員の手取りに対する高齢世帯の年金額の割合)は、
19年度までに51.6%に下がる見込みでしたが、未だ61.7%と60%台をキープし続けています。
物価と賃金が下がっている状況ではマクロ経済スライドは発動できない決まりがあり、
長引く不況で、発動できない状態が続いたためです。
今後、景気がどうなっていくかはわかりませんが、
景気が良くなって物価が上昇しても年金額はあまり増えない、
反対に再びデフレに見舞われればマクロ経済スライドによる調整期間が長引き、
将来世代にツケが回っていくことになります・・・。
わたしたちができること。それはやはり変わらず自助努力!
iDeCoやNISAを活用して老後の生活に備えておくことがますます必須となっていくでしょう。