今年度は年金額が増えた?

こんにちは、奥田です。
最近春めいてきましたね。私は頭の中がすでにお花見のことでいっぱいです。

いよいよ2019年度スタートに向けいろいろなことが変わろうとしています。
高齢者の生活を支える年金も変わっています。

まず、2019年度の年金額は0.1%引き上げることが1月18日に厚生労働省から発表されました。
老齢基礎年金の満額は780,100円(2018年度は779,300円)ということになります。
年金額が引き上げられるのは4年ぶりです。

ちなみに年金の金額は、物価と賃金の変動をもとに計算されます。
今年度は、2018年の物価の変動が+1%、賃金の変動が+0.6%となったため、
本来はこれらのうちの小さい方の「+0.6%」がもとになります。
しかし、今回はマクロ経済スライドがここで登場しました。
マクロ経済スライドとは簡単に言うと現役世代の数の変動(収入)と平均余命の伸び(支出)を
考慮して年金額の伸びを調整する仕組みです。
そこで、2019年度分のスライド調整率「マイナス0.2%」と、2018年度に
繰り越された未調整分の「マイナス0.3%」が差し引かれ、
実際の引き上げは「+0.1%」にとどまりました。

年金の金額が引き上げられたのは喜ばしいことですが、
実際はマクロ経済スライドによって、引き上げ幅が小さくなっているのです。
そのため物価の伸びに比べ年金額は伸びていないとも言えるでしょう。

一方で国民年金の保険料は16,410円にUPします。これは4月から産前産後期間中、
国民年金の保険料が免除される制度が創設されますが、その財源になるためです。

暮らしに大きく影響する今年のトピックとしては、10月の消費増税がどうなるのか
注目されていますが、実は今年は公的年金(国民年金・厚生年金)の
「財政検証」が実施される年に当たっています。


財政検証とはざっくりいうと5年ごとにその時から100年間、
年金財政が存続できるよう見通しを見直して収支のバランスを
検討していくというものです。
検証結果によって今後の年金制度改正が行われることになりますから、
場合によっては今後の生活設計にも大きな影響を及ぼすことが考えられるため、
どのような結果になるかとても気になるところです。
結果いかんによってはその辺りもふまえて老後の生活設計を
見直す必要があるかもしれませんね。

2019-03-11