今年の5月に一旦終了していた「電気・ガス料金補助」が、今月から再開することになりました。
また、電気・ガス料金補助と合わせて「年金世帯や低所得者世帯への追加給付金」を検討していることも発表されています。
今回は、電気・ガス料金補助の詳細について解説するとともに、65歳以上の年金世帯の平均的な家計収支について書いてみたいと思います。
政府が公表した電気・ガス料金補助は、「酷暑乗り切り緊急支援」として2024年8月から10月まで実施されることになっています。
電気・ガス料金補助は今年の5月に一旦終了していましたが、わずか3カ月で再開する形となりました。
電気およびガス料金の値引き単価は以下のようになっています。
ちなみに、今年4月と5月の補助金額は以下のようになっていました。
酷暑が予想される8月・9月は、補助金額が多く設定されています。では、実際にどのくらいの金額が補助されるのか、平均的なエネルギー使用量の家庭で計算してみます。
環境省が公表するデータによると、1世帯が1年間に消費したエネルギーは、全国平均で電気が4175kWh、都市ガスが203㎥とのことです。
月によってエネルギー使用量は異なりますが、単純に1年間の平均値から1カ月あたりの使用量を算出すると、電気が約350kWh、ガスが約17㎥となります。
この数値を基に補助金額を算出すると、8月・9月は電気が約1400円、都市ガスが約297円となります。
夏場はエネルギー使用量が増えるので、実際の補助金額はこれよりも増える可能性があります。
参考までに、地域別の年間電気消費量と、年間エネルギー種別消費量も見てみましょう。
出所:環境省「家庭でのエネルギー消費量について」
最も電気使用量が多いのは「北陸」で、次に「東北」となっています。
また、年間エネルギー消費量を見ると、「北海道」「東北」「北陸」が多くなっており、寒冷地では電気代が嵩むだけではなく、石油ストーブやボイラーなどに使用する「灯油代」が大きく上乗せされる傾向にあるようです。
続いて、年金世帯が光熱費や食費にどのくらいかかっているのか見ていきます。
ここからは、「65歳以上・無職夫婦世帯」の平均的な家計収支から、光熱費や食費が占める割合を見ていきます。
出所:統計局「家計調査報告〔 家計収支編 〕2023年(令和5年)平均結果の概要」
収入:24万4580円(うち社会保障給付)21万8441円
支出合計28万2497円
65歳以上・無職夫婦世帯における1カ月あたりの平均的な消費支出は25万959円となっており、その内水道光熱費が8.9%(約2万2335円)、食費が29.1%(約7万3029円)となっています。
食料品やエネルギーの価格が以前よりも大きく上昇しており、これらの費用が家計収支に占める割合は38%にも上ります。
老後の収支には世帯差があるので、中には物価高によって苦しい生活を強いられている世帯があるものと考えられます。
まずは第1弾の施策として「電気・ガス料金補助」の詳細が公表されました。
平均的なエネルギー使用量の家庭では、電気代が約1400円、都市ガス代が約297円の補助を受けられることになります。
また、第2弾として「年金世帯」や「低所得者世帯」を対象に追加給付金の支援が検討されています。