家族が亡くなったとき、遺族はお葬式の準備や役所への届け出、銀行や保険の手続きなど、やらなければならないことがたくさんあります。その中で意外と忘れやすいのが「未支給年金(みしきゅうねんきん)」です。
これは、亡くなった方が本来もらえるはずだった年金を、遺族が代わりに受け取れる制度のこと。知っておけば安心できる大切なお金です。
簡単にいうと、亡くなった月までの年金が「未支給年金」です。
たとえば、偶数月(2・4・6月など)には、2か月分の年金がまとめて振り込まれます。もし振り込み前に亡くなった場合、その分は「未支給年金」として、遺族が請求できるのです。
また、亡くなった方がまだ請求していなかった年金(老齢年金・障害年金など)も、手続きをすれば受け取れる場合があります。
受け取れるのは、亡くなったときに同じ家で暮らしていた家族です。受け取る順番も決まっていて、優先順位は次のとおり。
もらえる金額は亡くなった時期によって違いますが、必ず1か月分は受け取れます。
「亡くなった日が月の初めか終わりか」で日割り計算されることはなく、1か月分まるごともらえるのがポイントです。
税金については「相続税」ではなく「所得税の一時所得」にあたります。ただし、一時所得には 50万円の特別控除 があるので、多くの場合は申告不要。心配なときは税務署に相談すると安心です。
未支給年金は、5年以内 に請求しないと受け取れなくなります。なるべく早めに動きましょう。
準備するものの一例は以下のとおりです。
必要書類は人によって少し違う場合もあるので、事前に年金事務所で確認するのがおすすめです。
手続きしてから実際にお金が振り込まれるまでは、だいたい4〜5か月かかります。
「未支給年金」は、亡くなった方がもらえるはずだった年金を遺族が受け取れる制度です。
相続やお葬式の手続きで気が回らないことも多いですが、忘れずに申請すれば、遺族の生活の支えになります。
不安があるときは、遠慮なく年金事務所や「ねんきんダイヤル」に相談してみてください。