こんにちは、ヤスハラです。
新年度が始まって早や2ヵ月。
4月に社会人として新たなスタートをきった方は、初めての給与明細をもらいましたよね。
給与明細の控除欄に載っている、健康保険や年金などの社会保険料。
学生から社会人になると、大きく変わるものの1つに社会保険制度があります。
今回は、社会人になると社会保険制度がどう変わるのか、ご案内します。
日本の公的年金制度の特徴の1つに「国民皆年金」があります。
20歳になると職業や国籍を問わず原則として全員が年金制度に加入しなければなりません。
学生の場合は20歳になると国民年金に加入し、第1号被保険者となりますが、
その後大学や専門学校を卒業して就職すると、その職業により加入する年金制度や種別が変更されます。
正社員として就職した場合は、厚生年金に加入し、国民年金の種別は第2号被保険者に変わります。
正社員ではなくパートやアルバイトとして仕事をする場合は、
所定労働日数および労働時間が正社員の4分の3以上(一般的には30時間以上)あると、
正社員と同様、厚生年金に加入し、第2号被保険者となります。
この条件に満たない場合や、自営業を継いだり、フリーランスとして仕事をしたりする場合は、
学生時代と同様、国民年金のみに加入し、種別は第1号被保険者のままです。
第2号被保険者の保険料は会社と折半負担で、
被保険者の負担分は毎月の給与や賞与から天引きされます。
第1号被保険者は、毎月国民年金保険料(16,410円(令和元年度額))を自分で納付します。
公的医療保険制度には、会社員が加入する健康保険と
自営業者やフリーランスが加入する国民健康保険があります。
健康保険も国民健康保険も医療機関で診療を受けた場合の窓口負担は3割(6歳以上70歳未満)です。
健康保険の被保険者の場合は、医療を受けられるだけでなく、
病気やケガで仕事ができず給与が支払われない場合や産前産後休暇を取得して給与が支払われない場合、
健康保険から以下のような手当が支給されます。
・傷病手当金
業務外の病気やケガにより仕事ができず給与が支払われない場合、
欠勤4日目から標準報酬日額の2/3が支給される。
同一の病気・ケガによる支給期間は最大1年6ヵ月。
・出産手当金
産前産後休暇を取得して給与が支払われない場合、標準報酬日額の2/3が支給される。
出産予定日以前42日間(双子以上の妊娠は98日間)、出産後は56日間分支給される。
パートやアルバイトとして働く場合は、厚生年金の加入要件に該当すると健康保険にも加入できます。
健康保険に加入しない場合や、自営業やフリーランスとして働く場合は、
家族の健康保険の被扶養者となるか(収入制限あり)、国民健康保険に加入するか、
いずれかの方法で医療保険に加入することになります。
健康保険の被扶養者に該当する場合は、保険料の負担はありません。
国民健康保険に加入する場合は保険料(税)を負担します。
狭い意味での社会保険とは公的年金と公的医療保険をさしますが、
広い意味での社会保険には労働者災害補償保険(労災保険、以後「労災保険」とします)
と雇用保険という労働保険も含まれます。
卒業後、正社員として就職した場合は、会社で労災保険と雇用保険の両方に加入します。
パートやアルバイトとして会社で仕事をする場合も労災保険は強制適用になり、
加入することになっています。
労災保険は業務上や通勤途中の病気やケガに対して必要な給付が行われます。
雇用保険については、次の2つの条件に該当すると加入することが義務付けられています。
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上雇用される見込みであること
雇用保険は、失業した場合だけでなく、育児休業・介護休業中、60歳以降仕事を続けている場合、
教育訓練を受けた場合にも給付が行われます。
自営業者やフリーランスは、原則として労働保険には加入できませんが、
労災保険には「特別加入」という方法で加入することができる場合があります。
雇用保険には加入することができません。
保険料については、労災保険は全額会社負担ですが、雇用保険は本人負担もあり、
毎月の給与や賞与から天引きされます。
このように、学生から社会人になる時、社会保険との関係も大きく変わります。
会社員の場合は、社会保険の手続き関係をすべて会社がしてくれるので
「よくわからないから、会社にお任せ」と考えている人が多いでしょう。
自分がどんな制度に加入してどのくらい保険料を負担しているのか、
毎月の給与明細で確認することができます。
給与明細をもらうと、つい手取額だけに目が行ってしまいますが、
控除保険料にも注目してみてくださいね。