亡くなった人の年金はどうなるの?「未支給年金」の受け取り方をやさしく解説

家族が亡くなったとき、遺族はお葬式の準備や役所への届け出、銀行や保険の手続きなど、やらなければならないことがたくさんあります。その中で意外と忘れやすいのが「未支給年金(みしきゅうねんきん)」です。

これは、亡くなった方が本来もらえるはずだった年金を、遺族が代わりに受け取れる制度のこと。知っておけば安心できる大切なお金です。


1. 「未支給年金」ってなに?

簡単にいうと、亡くなった月までの年金が「未支給年金」です。
たとえば、偶数月(2・4・6月など)には、2か月分の年金がまとめて振り込まれます。もし振り込み前に亡くなった場合、その分は「未支給年金」として、遺族が請求できるのです。

また、亡くなった方がまだ請求していなかった年金(老齢年金・障害年金など)も、手続きをすれば受け取れる場合があります。


2. 誰が受け取れるの?

受け取れるのは、亡くなったときに同じ家で暮らしていた家族です。受け取る順番も決まっていて、優先順位は次のとおり。

  1. 配偶者(夫・妻)
  2. 子ども
  3. 父母
  4. 祖父母
  5. 兄弟姉妹
  6. その他の親族(3親等以内)
  7. たとえば、妻がいる場合は妻が受け取り、子どもや親は受け取れません。同じ順位の人が複数いる場合は、代表して1人が手続きをします。

    日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」

3. いくらもらえるの?

もらえる金額は亡くなった時期によって違いますが、必ず1か月分は受け取れます
「亡くなった日が月の初めか終わりか」で日割り計算されることはなく、1か月分まるごともらえるのがポイントです。

税金については「相続税」ではなく「所得税の一時所得」にあたります。ただし、一時所得には 50万円の特別控除 があるので、多くの場合は申告不要。心配なときは税務署に相談すると安心です。


4. 手続きの流れと必要書類

未支給年金は、5年以内 に請求しないと受け取れなくなります。なるべく早めに動きましょう。

準備するものの一例は以下のとおりです。

必要書類は人によって少し違う場合もあるので、事前に年金事務所で確認するのがおすすめです。

手続きしてから実際にお金が振り込まれるまでは、だいたい4〜5か月かかります。


5. まとめ

「未支給年金」は、亡くなった方がもらえるはずだった年金を遺族が受け取れる制度です。

相続やお葬式の手続きで気が回らないことも多いですが、忘れずに申請すれば、遺族の生活の支えになります。

不安があるときは、遠慮なく年金事務所や「ねんきんダイヤル」に相談してみてください。

2025-09-29