こんにちは、ヤスハラです。
前回のブログで、働き盛りの方が会社を辞めて自営業者となった場合の
遺族年金についてお話しました。(詳しくは前回ブログ)
人生100年時代。夫婦の将来の生活を考えるなら、遅かれ早かれ
どちらか一方が先立った後の暮らしも頭に入れておかなくてはなりません。
そんな時の経済的支えの中心はやはり公的年金。
(老齢)年金のことは気にしていても、
夫が亡くなった後の「遺族年金」のことをどれくらいご存知ですか?
ひとりになって慌てることのないよう、
どんな仕組みでどれぐらいもらえるのかを知っておきましょう。
遺族年金は夫婦どちらかが先に亡くなった場合、遺族の生活を保障する年金。
「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」という2つの年金があります。
■遺族厚生年金は一生支給される
自営業者など国民年金保険料を支払っている人が亡くなった場合、
支給されるのは遺族基礎年金のみ。
対象者は子がいる配偶者か、子自身で、その子が18歳になると給付は終わります。
一方、会社員や公務員など厚生年金の加入者だった人が亡くなった場合は、
遺族基礎年金と遺族厚生年金をダブルでもらえます。
この遺族厚生年金は、妻は年齢・子の有無にかかわらず受け取ることができ、
再婚しない限り給付は一生続きます
(ただし、夫が亡くなった時に30歳未満で子のない妻は、5年間のみの給付)。
遺族厚生年金は受給者数の97%を女性が占め、夫に先立たれた妻の生活を支えています。
では遺族年金はいくらもらえるのでしょうか?
まず遺族基礎年金は、子が1人なら約100万円、2人なら約123万円。
月額にすると8万~10万円ほどになります。
一方、遺族厚生年金は、亡くなった人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の算定額が計算ベースとなり、
その4分の3の額が支給されます。
ねんきん定期便では、↓部分に報酬比例部分の額が載っています。
(ただし、厚生年金に加入していた期間が25年未満の方は、
25年とみなした場合の算定額をベースにします。)
勤続年数や収入によりますが、年60万~100万円を受け取っている妻が多いようです。
■遺族年金は支給金額が変わっていく
遺族年金は老齢年金とは違い、年齢が上がるにつれて受け取る年金の
中身や金額が変わっていくので、要注意です。
図は、40代の専業主婦が会社員の夫を亡くしたと想定したときの、
年金の受け取りイメージを表しています。
まず注目なのが「中高齢寡婦加算」。
遺族厚生年金をもらえる妻が、40歳以上65歳になるまで年約58万円が加算されます。
子がいるときは遺族基礎年金をもらえますが、子が18歳になってもらえなくなった後、
この中高齢寡婦加算に置き換わります。
65歳になると、今度は妻自身の老齢基礎年金の受給が始まり一生続きます。
中高齢寡婦加算は、遺族基礎年金と老齢基礎年金がもらえない期間のつなぎとなる年金なのです。
65歳からの老齢基礎年金は、保険料を40年払い続けた満額のケースで約78万円。
遺族厚生年金と併せてもらうことができます。
生年月日などによっては経過的寡婦加算という別の加算がつく人もいます。
総務省の家計調査によると、60歳以上でひとり暮らしの平均支出は月14万円強、年間で170万円。
年金だけでは不足するケースも多いでしょう。
じゃあ、がんばって働くわ!!
夫の死後、働いて厚生年金を増やそうという方も多いと思いますが、ここで注意点があります。
働いて厚生年金保険料を払っても、そのまま年金が増えるわけではないのです…!
どういうことでしょう?これは、次回のブログでお届けします。お楽しみに!