皆さま、こんにちは!
今回は2024年度の骨太の方針について要約したいと思います。
資産運用には国策が絡むテーマを生かすのが鉄則!ということで、早速確認していきましょう。
骨太の方針2024(正式には「経済財政運営と改革の基本方針2024」といいます。)が、経済財政諮問会議の答申を経て、6月21日に閣議決定されました。
要点をテーマ別にまとめると次のとおりとなります。
– 経済の動向
賃上げの促進・価格転嫁対策、全世代型リ・スキリング、半導体等の大規模投資支援
– 社会課題解決
医療・介護DX、教育DX、交通・物流DX、貿易DX、再生可能エネルギー、宇宙政策、海洋政策、スタートアップの活性化、食料安全保障
– SDGs
全世代型健康診断、新たな地域生活圏の形成、新しい働き方・暮らし方を実装するモデル地域の創出
この中から一つ、テーマを絞ってお話ししたいと思います。
個人的に注目しているテーマは“賃上げの促進・価格転嫁対策”です。
コストプッシュインフレがきっかけとはいえ、デフレ社会からインフレ社会への転換の機運が高まっています。
春闘で33年ぶりの高水準である5.08%の賃上げが実現したのも記憶に新しいところです。
ただ、これは大企業に限った話で、中小企業には実感がないというのが正直なところではないでしょうか。
今後、継続的に成長型経済へ移行できるかは、まずもって中小企業が賃上げできる状況になるかが鍵だと思われます。
今回の骨太の方針では価格転嫁対策として、中小企業の賃上げ原資の確保が課題とされています。
中でも、原材料費やエネルギーコストの価格転嫁に比べて、労務費(ヒトへの投資にかかる費用)は転嫁しづらいとされています。
(たしかに、原材料費高騰はここまで進むと仕方ないけど、労務費は「企業努力で…」とか言いがちですよね…)
そこで、定期昇給・ベースアップ分を含めた労務費を価格転嫁するために、政府が策定した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」や交渉用フォーマットを周知徹底していくとうたっています。
消費者が手にする商品価格への転嫁だけでなく、企業間の財・サービス価格交渉においても労務費を反映させることが重要なわけですね。
大企業さん、下請けいじめをするのは本当にやめましょう。
投資の観点からみると、デフレ社会における値下げ競争から転じて、価格転嫁を推し進めても財・サービスを買ってもらえる高付加価値で競争力を持った企業を選別することが、ますます重要になってくるかと思います。
「この企業は価格改定できているか?」という視点を持ってみるのはいかがでしょうか。
以上、2024年度の骨太の方針の中から、賃上げ・価格転嫁対策についてお話ししました。
また次回お会いしましょう!
「骨太の方針」については内閣府のホームページから閲覧可能ですので、リンクを貼っておきます↓↓
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2024/decision0621.html
(PDFファイルが4つある中で、『政策ファイル』が一番見やすく、よくまとめられているので、それだけ見れば十分だと思います。)