みなさんこんにちは。
街角景気ウォッチャー兼ファイナンシャルプランナーの牧原です。
竹中平蔵氏が「年金廃止」なる言動をされていましたが、わたくしふと思いました。
年金は、最大でいくらもらえるんだろう?
と。気になったので調べてみた結果です。
ここでは厚生年金を念頭においています。
自営業者やフリーランスは国民年金ですが、これは上限が元々定められているからです。
なので、今回は厚生年金について厚生労働省の調査結果を元に考察したいと思います。
https://www.mhlw.go.jp/content/001027360.pdf
出展:令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
まずは、平均的な年金の受給額から。
どどん。
令和3年:143,965円 / 月
表9 厚生年金保険(第1号) 受給権者平均年金月額の推移
とありました。推移をみると平成29年が147,051円ですから、徐々に減っていますね。
本来は中央値を知りたかったのですが、データが見つかりませんでしたので、
平均的な日本人は年金を毎月14万円もらっていると仮定します。
続きまして、
厚生年金保険(第1号) 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
を見てみましょう。ここから、年金を14万円以上もらっているひとの割合を計算します。
男性:7,679,491人 / 10,828,213人 → 70.92%
女性: 500,008人 / 5,352,232人 → 9.3%
驚くべきことに、男女でかなりの差があることが分かります。
では、30万円以上の年金をもらっているひとの割合を見てみましょう。
男性: 14,455人 / 10,828,213人 → 0.133%
女性: 361人 / 5,352,232人 → 0.006%
合計: 14,816人 / 16,180,445人 → 0.09%
少なッ!
めちゃくちゃ希少ということが分かりました。
これは1000人いて1番になるのと同じことです。
偏差値は驚異の80!
おれ学生の頃、ずっと偏差値80だったんだぜ~
という神童じゃないと難しそうですね。
この数字を給与分布と合わせてみてみましょう。人口の上位0.09%にあたるひとが「年金30万円」
もらっているのではないかと仮定します。
お次のデータは、国民生活基礎調査 / 令和4年国民生活基礎調査 / 所得・貯蓄 から
世帯数,最多所得者の職業分類・所得金額階級別
のデータを用います。この国民基礎調査、年収やら貯金の額やらなかなかセンシティブ情報を得られる貴重な統計です。
少々乱暴ですが、世帯で年収どれくらいありますかという調査のうち、
全体に占める割合が0.1%の世帯を調査します。
すると人口の上位0.09%にあたる人たちの年収は…
2,000万円!
これはなかなか到達するのは難しいですね。
しかも、生涯にわたってこの金額をキープしないといけません。
至難の業といっていいでしょう。さすが偏差値80。
では、平均的な年金額である14.4万円を得るにはどの程度の年収であればよいのでしょうか?
それは350~400万円のあたりとなりました。これは日本人の平均年収と一致します。
妥当な結果でしたね。
ひとりで年金を30万円毎月もらおうとすると、
生涯平均で2,000万円以上の年収が必要だと推測されます。
これはかなり困難でしょうから、もし年金を30万円欲しいと思っても、
単独では99.9%無理ということが分かりました。現実は厳しいなァ。
そのため、夫婦で年収をお互いが350~400稼ぐというのが現実的なプランだと言えるでしょう。
加えて、主に女性は子育てでM字型の就労スタイルになる場合が多いことが統計上わかっているので、
生涯安定して上記の年収を得るのは、けっこうハードルが高いと考えられます。
そうなると、一般的に年金を30万円/月でもらうことは中々難しいと結論となります。
年金制度だけに頼るのではなく、配当や分配金を資産から得られるように、
若いうちから準備しておく理由がまたひとつ見つかりましたね。
そんなアナタにお勧めの牧原の講座はコチラ
守りながら資産を着実に増やす方法やマインドを学びます。
相談希望はコチラから。初回無料なので、お気軽にご相談ください。