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2022-09-12
8月が終わり、朝晩が真夏に比べると幾分か過ごしやすい今日この頃
季節的にも外に出る機会も増え、夏のアクティブな雰囲気のまま、羽目を外す事もありますが、こんな時こそ体調を崩す原因になったりもしますので、きっちりと自己管理をしておきましょう。
それは、「お金」についても同様です。
最近では芸能界における投資トラブルが注目を集めていますね。
また消費者トラブルも高齢者だけでなく若い世代にも事案が後を絶ちません。
そこで今回は、自分の身を守るために必要な「金融リテラシー」に着目し、日本人のリテラシーの実態と紐づけながら「資産運用で失敗する人」の行動3選を紹介します。
独立行政法人国民生活センターによると、未公開株や外国の通貨などに関する投資詐欺が、依然として高齢者を中心に発生しています。
また、最近では以下のようなケースも増えつつあるとしています。
- 海外事業者が、金融商品取引法に基づく登録無しに勧誘し、トラブルにつながっているケース
- 金融商品取引法に基づく登録のない業者がセミナーやSNSを通じて若年層に投資話を持ち掛け、金融機関などから借金をさせて投資させ、トラブルとなるケース
- 暗号資産で投資すると大儲けできると勧誘し、配当の支払いや預かった資金の払い戻しに応じず、トラブルとなるケース
投資詐欺を行う業者はSNSを活用したり、暗号資産を話に組み込んだりと、近年の流行を織り交ぜるなどして詐欺の手法も変わりつつあります。
こうした中、個々人の金融知識は詐欺被害に遭わないために重要となってきます。
また、被害防止だけでなく、投資パフォーマンスの改善においても知識は重要です。
そこで次からは、知識とひもづけた「資産運用で失敗する人」の行動3選を紹介します。
「資産運用で失敗する人」の行動1. 知識を身に付けずに投資を始める
まず1つ目は、「知識を身に付けずに投資を始める」です。
日本証券業協会が2021年10月20日に発表した日本全国の20歳以上の個人投資家5000人の証券投資に関する意識調査によると、「金融に関する教育を受けた経験がない人」は85.1%、「受けたと思うが、あまり覚えていない人」の5.4%を加えると90.5%にまでのぼることがわかりました。
また、教育を受ける機会があること自体も認知度が低い状況です。
学校での資産形成等に関する授業を知らない人は79.7%、証券会社等による授業支援を知らない人は86.5%にのぼります。
投資で求められる知識の中には、普段生活しているだけでは身につかないものも多いです。
知識のないまま投資をした結果、知らないうちにハイリスクな投資をしてしまったり、損が生じた時にどう対処していいのかわからず右往左往してしまったりする可能性は高くなります。
同調査では、「平均年収や金融資産平均保有額と金融知識の高さには相関関係が見られ、年収や金融資産額が低い人ほど金融知識が乏しい」ということもわかりました。
年収や金融資産が少ないために収益性を強く追い求めた結果、「未公開株の投資」などと称した詐欺に引っかかってしまうケースもあるかもしれません。
「資産運用で失敗する人」の行動2. 計画・目標を決めない
日本証券業協会の調査では、「金融知識が低い人ほど長期投資志向が薄く、計画性も低い」ということがわかりました。
株式については、金融知識が高い人で長期保有をする人は54.1%、方針を決めていない人は3.5%であるのに対し、金融知識が低い人で長期保有をする人は43.7%、方針を決めていない人は10.9%となりました。
投資信託についても同様のことが言え、金融知識が高い人で長期保有をする人は65.3%、方針を決めていない人は8.8%であるのに対し、金融知識が低い人で長期保有をする人は49.9%、方針を決めていない人は22.6%となりました。
これまで色々な方の人の投資相談に乗ってきましたが、計画性の無さはストレス耐性の低さにつながる印象があります。
「短期・中期・長期のどのタイミングでパフォーマンスがプラスになっていればよいか」を考えず、なんとなく株や投資信託を買って損が生じた際、どのように次のアクションを考えていいかがわからなくなることは多いでしょう。
これは、リターンが生じた時も同様です。
長期投資志向ではないうえに計画性がない場合、短期的な値動きに気持ちが振り回された結果、売り時がわからず、利益が減ったり損失が拡大したりする可能性は高くなってしまうでしょう。
「資産運用で失敗する人」の行動3. 生活スタイルに合わない投資をする
日本証券業協会の調査では、「若い人ほど短期投資志向が強い」こともわかりました。
株式の平均保有期間について、「3年未満」の層は20~30代で合計で71.5%にのぼり、他の年代と比較して圧倒的に高いです。
「若い人ほど年収や金融資産が少ない傾向にある」と想定し、既述の
- 年収や金融資産額が低い人ほど金融知識が乏しい
- 金融知識が低い人ほど長期投資志向が薄く、計画性も低い
ということを掛け合わせると、「歳が若い人ほど、金融知識が乏しい中、計画を伴わず短期志向な投資をしている」ということが言えるかもしれません。
まず、投資が短期志向になればなるほど、リアルタイムで素早く情報をキャッチアップする必要が出てきます。
しかし、日中働いている人は、そうした俊敏な情報収集が難しい場合も多いのではないでしょうか。
また、素早く情報をキャッチアップするには、素早くかつ正しく解釈するための金融知識も必要となってきます。
投資の学習に時間を割きづらい人にとっては、そぐわない投資スタイルと言えるのではないでしょうか。
金融知識が乏しい中、計画を伴わず短期志向な投資をしていると、無計画に値動きの激しい資産を買い、状況が呑み込めないまま日々の値動きに一喜一憂してしまうという状況にも陥りかねません。
まとめ
秋は行楽に楽しいイベントも多いシーズンです。
しかし、気分が浮かれて「お金」に関する警戒心が緩んではいけません。
弊社では、皆さんの疑問にお応えする『あなたの隣』のファイナンシャルプランナー事務所です。
気軽にご相談や、各種セミナーを企画しておりますので、皆様の未来に備えた準備のお手伝いが出来ると幸いです。
2021-08-30
こんにちは中西です。
以前、紙面で国民年金の納付率の事が載っていました。
国民年金とはご存知の通り、老後生活の原資となる年金です。
6月28日に厚労省が発表した納付率は71.5%
これは前年対比2.2ポイント上昇で9年連続で改善しています。
しかし国民年金保険料の納付を全額免除や猶予された人が、2020年度は前年度よりなんと、26万人も増えて609万人となっています。
基礎年金制度が導入された1986年度以降、最多。
新型コロナウイルス感染拡大に対応した政府の経済対策の一環で、収入が急減した人を対象に、保険料の支払いの全部または一部を免除する特例措置を20年5月に導入したことが影響したと思われます。
厚生労働省 加入納付率推移データ
国民年金の加入者は20年度末で1449万人。
上にも載せましたが、保険料の納付率は前年度より2.2ポイント上昇して71.5%。
保険料は過去2年さかのぼって納付できる仕組みで、18年度の最終納付率も8年連続で上昇し77.2%となりました。
ただ、全額免除・猶予者は納付率の算出から除外されるため、免除者数が増えても納付率を下げる要因にはならない為、全額免除・猶予者も含めた実質の納付率は実は40.7%まで下がります。
昨年からのコロナの影響で20年度は国民年金保険料の支払いを全額免除や猶予された人が過去最多となりました。国民年金は40年保険料を納めた人でも支給額の月額は6万5000円台ですし、免除を受けると将来に受け取る年金額が更に減るため、免除は苦しみからの解放ではなく、高齢期の貧困に繋がりかねない問題の先送りとなる可能性がある事を認識しておかないといけないですね。