60代といえば、定年後のスタートとなる時期です。
現役時と比べ収入は減少し、節約生活へ突入といったこともあるでしょう。
またご自身のセカンドライフを考えなければならない中で、「老老介護」といった問題に直面する可能性もあります。
これからの老後生活資金に加え介護費や医療費など準備していかなければならない中で、資金不足による老後破産をどう避ければいいのでしょうか。
またどのくらいの資産があれば安心できるのでしょうか。
まず60代の懐事情を参考に見ていきましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」を参考にします。
※平均値は超富裕層の資産額の影響を受けてしまうので、中央値の方が実態に近いでしょう。
老後資金が将来2000万円不足するといった「老後2000万円問題」がありましたが、2000万円以上の保有割合は32.9%となります。一方で、貯蓄ゼロを示す「金融資産非保有者」の割合は18.3%と約2割に上ります。
資産の次は収入をみていきましょう。
年金収入をベースとしてみます。
2020年12月公表の厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金・国民年金事業の概況」(参考資料3・4)から、国民年金や厚生年金(含む国民年金)を確認してみましょう。
全体の平均年金月額:5万5946円
男子:16万4770円
女子:10万3159円
全体の平均年金月額:14万4268円
男女の国民年金と厚生年金(含む国民年金)を見てきましたが、それを参考に夫婦の年金月額がいくらになるのかを見ていきましょう。
「自営業(夫)と専業主婦(妻)」と「会社員(夫)」と会社員(妻)」を比較すると、15万5364円となり、年間約186万円の差になります。さらに20年では3728万円、30年では5593万円程度の差になります。
「自営業(夫)と専業主婦(妻)」については厚生年金がない分、自身で資産を築く自助努力が一層必要になります。
資産と収支を見てきましたが、老後破産を避けるためにどのくらいの資産額があれば良いのでしょうか。
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の「老後2000万円問題」にありました生活費と年数を参考に試算したいと思います。
不足額(必要額)=金融資産-{(収入-生活費)×12ヶ月×年数(老後)+介護費用等}
例えば先程の例の「自営業(夫)と専業主婦(妻)」のパターンで見ると、
不足額(必要額)
=金融資産-{(11万2565円-26万3718円)×12ヶ月×30年+介護費用}
=金融資産-{5441万5080円+介護費用}
一人あたりの介護費用については、生命保険文化センターによると、
介護費用=69万円(一時費用)+7万8000円(月額)×54.5ヶ月=494万1000円
以上を踏まえ、夫婦の介護費用(494万1000円×2)まで換算すると、目安の資産額は約6500万円の資産が必要となります。
老後の資産をどのように築いていけばいいのでしょうか。
ポイントは3つです。
金融庁のシミュレーションを活用してみると、下記のような試算ができます。
毎月コツコツと複利運用をしていけば将来大きな資産を築くことができます。とはいえ資産運用にはリスクが伴うのも事実です。まずは資産運用を考える前に、ご自身のライフプランを見直すとよいかと思います。
そのうえで、老後を含めて今後いくら必要かを検討する時間を設けることが大切になってくるのではないかと思います。
ご興味ありましたら、ご相談お待ちしております。