牧原の読書のススメ#1

今回は、ファイナンシャルプランナーらしくお金に関するおススメの本を紹介したいと思います。

 

それがコチラ。

 

「バビロン大富豪の教え」(著者ジョージ・・S・クレイソン)を、

わたしの投資経験も織り交ぜてご紹介しましょう。

この本は、私が資産形成をするうえでの思想の基礎となっている書物ですので、
これをお読みになるとどういったスタンスで私が資産形成について考えているかが、
ばっちりバレてしまいます。

さてバビロンとは、今からさかのぼること4000年ほど前に中東はメソポタミアの地域に起こった
都市国家です。
紀元前500年ごろの新バビロニア王国時代に最盛期を迎えます。
世界の七不思議にも「バビロンの空中庭園」がありますね。
驚嘆すべき建造物を造ることができるのも、文明が豊かさである象徴です。
そのバビロニアでは、商業が高度に発達し、文字を保存するのに粘土板が使われていました。
取引の履歴や法律を記録しておくためです。
正確な記録は商業上かかせませんし、紙は一般的でなかった時代なので、
粘土の板に文字を刻み、それを焼いて保存していました。
瓦みたいですね。

その中でも興味深い粘土板が後にイギリスの調査隊によって発見されました。

その石板には、とある男が奴隷に身をやつしながらも、借金を完済し、
バビロン屈指の富豪となるまでのサクセスストーリーが書かれていたのです。
7つある教えをここでは全て挙げませんが、最も基礎的な教えを今回はご紹介します。
すなわち、

「収入の十分の一を貯金せよ」

おやおやおや。もったいぶってそれ?

っていいたくなる気持ちもわかります。貴兄はこう思ったことでしょう。

格言にしては、簡単に過ぎると。

しかし、時の試練を乗り超えた教訓とは得てしてシンプルなものであります。
この格言はこういっています。

毎日十個のタマゴをひとつのかごに入れ、夕方に九個取り出す。
これを続けるとどうなるか。

当然、かごはいつしかタマゴで一杯になり、溢れてしまうでしょう。

たった10%であっても、辛抱強く継続すれば、それはいつしか驚くべき量になるということ、

同様に、収入の十分の九で生活する者は、いつしかその財布を丸々と太らせるのです。

ではなぜ、このようにシンプルな教えを実行できるひとが少ないのでしょうか。

「収入のほとんどを支出してしまうから」

にほかなりません。
それはおそらくパーキンソンの法則(予算の上限まで使ってしまう法則)に見られるように、
人間が背負いし罪深き業なのでしょう。
人間の性として、予算(収入)は知らず知らずのうちにいっぱいまで使ってしまうものです。

そのせいで毎月の給料のほとんどを支出に充ててしまうようなことが起こります。

子どものころ、もらったお小遣いのほとんどを使っちゃいませんでしたか?

大人になってもそれは変わらず、貯金に回るのはほんのわずか。
ひどい場合は、見栄や欲望のために借金してでも欲しいものを手に入れようとします。

お金が貯まるはずないですね。この格言は、こう続きます。
「毎月の収入を十等分して、そのうちの九で暮らすように」と。
これはいわゆる先取り貯金の考え方です。
強制的にしないと漫然と支出をしてしまい、10%といえどもなかなか貯金できません。

資産形成期において収入の10%分はないものと思いましょう。

十分な資金(と生活費)なくしては資産運用もできませんから、

資産運用の全ての源はこの格言にある

といってもいいと思います。
できるひとは20%でも30%でも貯蓄に回すといいでしょう。
その分だけ財布が太る時間が短くなります。

ちなみにわたしは、収支のデータを遡ってみたところ、新卒時代から平均して20%程度を貯金に回していました。
バビロン第一の格言はクリアしたといっていいようです。

みなさんも、まずは収入の十分の九で生活をするようにしてみてはいかがでしょうか。
残念に思うかもしれませんが、収入の90%、それが我々の身の丈に合った生活なのです。

お金は無限に手に入る物ではありません。
どうすれば収入の90%で暮らせるのか。
まずはここから自分の生活を振り返ってみましょう!

2023-03-13