あなたは企業年金に加入していますか?
ライフプランを作成するときに、お客様に下記の質問をしております。
・どのくらい収入があるか?その後の働き方は?収入見込み額は?
・どのくらい支出があるか?家族構成での支出の推移は?
基本生活費は?(食費、光熱費、通信費、医療費、おこづかい、雑費等)
・車の購入のタイミング、価格、維持費、何歳まで乗られるか?
・お子様は何人で(ご希望で)どんな教育を受けさせたいか?
・住宅は持ちたいか?戸建、マンション?予算は?いつ頃?どの辺りに?
・将来の年金見込み額は?(ねんきん定期便等で確認)
・職場で企業年金は導入されていますか?
・その他、ご加入されている年金はありますか?
・退職金はありますか?退職時の受取額はいくらくらいですか?
・資産(預貯金、不動産、株等)と負債(ローン等)は?
・将来の夢はありますか?
などといった内容をお伺いしてライフプランを作成しております。
ですが、一番最後まで苦戦するのが、
「将来の退職金見込額と企業年金のこと」この2つです。
退職金や企業年金がいくらもらえるか?がわからないのもですが、
・お勤め先に企業年金が導入されているか?
・導入されている企業年金の種類は何か?
・月々いくら掛金を捻出していて、いつ頃どのくらい受け取れるのか?
が把握できていない方がほとんどです。
そこで、企業年金の歴史をお話します。
退職金制度のはじまりは、江戸時代の商家の「のれん分け」にさかのばり、営業する権利を分けたり、独立資金を渡す「のれんわけ」には、功労や慰労の意味があったそうです。その後、高度成長期、物価上昇に合わせて給与を値上げすることが難しかったので、その分を社員が退職するときに退職金という形で支払うことを考えるようになり、退職金は「賃金の後払い」という意味を持つようになりました。その後、日本の平均寿命が延びる中、退職金は、社員の「老後の生活保障」という考え方になりました。
退職金は、退職時にはたくさんの資金が必要です。そのため、退職金を分割して支払う「退職年金」という考え方が出てきました。退職年金では一度にまとめて支払わらなくてすむので、その分の利息に相当するお金をプラスして支払うことにしました。これが、「企業年金」の始まりです。少しづつこのしくみを組み入れる企業が増えていき、平均寿命が延びる中、「老後の生活保障」というニーズと合致し、企業年金が普及するようになりました。
その後、国が制度として認め、1962(昭和37)年には税制適格退職金、1966(昭和41)年には厚生年金基金ができました。
1959(昭和34)年には中小企業だけが加入できる中小企業退職金共済制度が作られました。
高度成長期からバブル期には資産の運用成績がよく、少ない掛金で給付のための資金が準備できていましたが、その後、バブル崩壊とともに、経済・運用環境の低迷や少子高齢化が進み、次第に、本来必要な年金原資を準備できない企業がたくさん増え、国は、企業の経営の負担軽減などのために企業年金の見直しを進めることにしました。
新しい企業年金制度として、確定給付企業年金法および確定拠出年金法の2法が2001(平成13)年にそれぞれ制定され、企業年金制度の選択肢を広げました。
また、厚生年金基金制度においては、代行部分が母体企業の決算上の負債に計上されるようになったこともあり、平成14年4月の確定給付企業年金制度の創設時に合わせて代行部分の返上が認められたことによって、単独型・連合型の厚生年金基金の多くが確定給付企業年金へ移行しました。
こうしたなかで、平成16年法改正によって厚生年金基金の財政運営の抜本改正が行われました。その後、経済運用環境が再び低迷するなかで、厚生年金基金の代行割れ(保有資産が最低責任準備金に満たない状況)が社会問題となり、平成25年法改正により、厚生年金基金の新設は認められなくなり、健全な基金は厚生年金基金としての存続が認められているものの、解散または他の企業年金制度等への移行を促されることとなりました。
また、税制適格退職年金制度は平成24年3月末で廃止となりました。
いかがでしたか?
以上が企業年金の始まりから現在にいたるまでの流れになります。
経済環境等の影響で制度がかわっていく様子がわかりましたね。
企業年金が導入されている企業へお勤めの方は、ご自身の企業年金がどの制度なのか確認してみてくださいね。
次回、企業年金の種類と違い等をご紹介いたします♪
お楽しみに…杉本でした(^^)/