住民税 年金受給者は非課税?

今年も残るところあと僅か

クリスマスや年末など楽しい行事も多い冬ですが皆さん如何お過ごしでしょうか?

世間では年末の支出に備え、値上げに負けないようにお得情報を探している方も多いことでしょう。

お財布が厳しいのは現役世代だけではありません。
決まった収入となる年金生活者にとっても、昨今の値上げの嵐は厳しいものがあるでしょう。

年金生活になれば「額面と手取り」が一緒と考える方もいますが、実は違います。
住民税や所得税などは年金が一定以上になると課税され、年金から天引きされてしまうのです。

つまり、年金生活者は住民税非課税世帯になるとも言い切れないのです。
いくらになれば課税されるのか、今回は住民税と所得税にわけてくわしく見ていきましょう。

1. 厚生年金や国民年金「住民税」が非課税になる人・ならない人

厚生年金や国民年金を受給する場合、これらの所得は雑所得に分類され、原則は課税の対象となります。

一方で、下記の条件にあてはまる場合は課税されません。

1.1 住民税非課税になる

(1)遺族年金
(2)障害年金
(3)老齢年金の金額が一定以下

このうち、(3)の基準となる金額は厳密には居住地で異なります。ここでは東京都立川市の例をご紹介します。

65歳以上(前年12月31日時点)年金収入のみ(同一生計配偶者なし)
住民税非課税155万円以下
扶養範囲158万円以下

65歳以上(前年12月31日時点)年金収入のみ(同一生計配偶者あり)
住民税非課税211万円以下
扶養範囲158万円以下

65歳未満(前年12月31日時点)年金収入のみ
住民税非課税105万円以下
扶養範囲108万円以下

1.2 住民税非課税にならない(課税される)

上記にあてはまらない場合は、原則住民税が課税されます。

住民税はやはり住所地で異なりますが、課税所得のおよそ10%となることがほとんどです。

2. 厚生年金や国民年金「所得税」が非課税になる人・ならない人

続いて、所得税が課税される条件も見ていきましょう。

2.1 所得税が非課税になる

(1)遺族年金
(2)障害年金
(3)老齢年金の金額が一定以下

住民税と同様で、遺族年金や障害年金には課税されません。老齢年金の場合、金額が一定(65歳未満の場合は108万円、65歳以上の場合は158万円)を超えるまでは非課税です。

2.1 所得税が非課税にならない(課税される)

上記にあてはまらない場合は、雑所得として所得税が課税されます。

公的年金の所得については、下記のように求めることができます。

合計所得が1000万円以下の場合

国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」

合計所得が1000万円超の場合

国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」

所得から基礎控除や扶養控除などの各種控除を差し引き、求められた課税所得に税率(5.105パーセント)をかけることで、所得税が算出されます。

3. 年金生活者は確定申告がいらないとも言えない

基本的に、年金のみで生活している方は確定申告が不要だと言われています。しかし、下記にあてはまる方は確定申告が必要です。

3.1 確定申告が必要な人

3.2 確定申告をするとお得になるかもしれない人

など

確定申告が必要な方は、申告をすることで所得税が増える可能性もあります。一方、各種控除に該当する方は、しっかり申告することで税負担を抑えることもできます。

該当する項目がないかしっかり確認しておきましょう。

4. まとめ:年金生活者が非課税とは限らないが確定申告で軽減できるかも

所得税や住民税が非課税になるかどうかは、受け取る年金の種類や金額によって異なります。

一般的には確定申告が不要といわれる年金生活者。
しかし、申告することでさまざまな控除が受けられる可能性もあります。

値上げが厳しい冬だからこそ、収入の手取り額はしっかり守りたいところです。
そのためにも、年金から引かれる税金についてじっくり考えておきましょう。

また、現役時代の方は老後に向けた資産形成も重要になります。
年金から税金や保険料が天引きされることを知り、必要な資金を来年からコツコツ貯め始めてみるのは如何でしょうか?

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2022-12-12