円安はなぜ起こる? 物価上昇と円安のキケンな関係

みなさんこんにちは。

自称、街角為替ウオッチャー兼ファイナンシャルプランナーの牧原です。

 

今回は相談を受ける中で、割とよくある質問の

【なぜ円安は起きるのか】

を私なりの解釈で説明いたしたいと思います。

昨年は、150円程度まで円安が進みました。

円安が進むと、資源の輸入を海外に頼っている日本では生活費が上昇しますので、

俺、ドルとか持ってねーから関係ねーし!

とはならないんですね。そんな知っておくべき「円安」の基礎知識について早速始めてみましょう。

1 金利差

まず、大きな影響を与えるのが金利差です。

ちょっと考えてもらいたいんですが、同じ金額、同じ期間でお金を預けるとして、4%/年の銀行と0.5%/年の銀行があったら、あなたはどちらにお金を預けたいですか?

殆どの人は4%のほうだと思います。

これが今、米国と日本で実際に起きていることで、

米国のほうが預けてるだけでお金増えるんじゃね?

と考えるひと(機関も)が増えました。

よって円を売ってドルを買うトレンドが強まり、円の価値が「安」くなっているんですね。

2 政治(地政学的リスク)

例えば、あなたがお金を預けたいとしましょう。

その国がいまから戦争に突入に、かなりの損害を受けることが分かっていたらどうでしょうか?

そんな不安定な国にお金を預けたくないなあと思うでしょう。

金利差が開いていても、一方の国の政治が不安定だったり、開戦の予兆が合ったりするとその通貨は売られやすくなります。

2018年ごろには米国と中国の貿易摩擦が生じ、「すわ、米中戦争か」となったのを覚えているでしょうか?このときは、直接巻き込まれなさそうということで、日本円が米ドルの退避先となりました。

この場合、米国のほうが金利が高くとも、円買い、ドル売りのトレンドとなり、円の価値が「高」くなります。

3 期待感

さて、またまたあなたはお金を預けようとしています。

では、その国が「これから成長が見込める国」と「これから先の成長が見込めない国」だったらどうでしょうか?

多くの人が成長の見込める国の通貨を持ちたいと思うでしょう。

ここで日米の経済について考えてみましょう。

ここ数週間は日経平均も上昇していますが、いまだに過去の最高値を更新できていません。一方で米国は、おなじ30年で13倍も株価(S&P500指数)が上昇しました。

さらに日本は、今後も人口が減り続ける公算が大きく、今以上に経済の拡大を見込むのは難しいと思います。

まとめ

今回取り上げた理由がすべてではありませんが、為替レートは様々な理由で変動していることがお分かりいただけたでしょうか?

為替レートの予想は極めて困難で断定はできないものなので、予想をするのではなくどのように転んでも対処できるように、日ごろからポートフォリオを管理されるとよいと思います。

2023-06-12