みなさんこんにちは。
歴史マニア系FPの牧原です。
今回は、実際に相談を受ける中で結構見かける「サンクコスト効果」について、
お話したいと思います。
このサンクコスト効果ですが、埋没費用効果、あるいはコンコルド効果としても知られております。
どういう現象かというと、
すでに投下した資本を惜しみ、合理的な判断ができない状況のことです。
具体的な例としては、
・5年付き合った彼と別れたいけど、いまさら新しい相手を見つけるのも…
・ガチャに1万円課金したのに目当てのキャラが出ないので、ここまでの資金がもったいないから出るまで課金する!
・映画のチケットを買ってみたもののつまらない…でもチケット代がもったいないから見続けるか
・ここまで我慢したんだから、もうすこし株価が上がるまで待ってみよう
などなど、われわれの生活に実に身近な効果であると言えます。
いずれも、すでに投下した資本(お金や時間)を惜しんで、
本来取るべき合理的な手段が取れない点が共通しています。
経済的な合理性でいうと、すでに投下した資本はもはや回収不能なので、
それらのことは考慮せず、今後得られる効果、効能のみを考えるべきなのです。
例えば、5年付き合っていたとしても、その時間(とお金)は回収不能ですから、
これから付き合っていく意義を考えて意味がなければ別れたほうが合理的でしょうし、
映画のチケット代金とすでに見た時間はもう回収できないので、この先の映画の展開を予想して
面白くなければ映画館を出たほうが時間の節約になります。
私の業務関連でいうと、よく見られるのが、
あと●●年、保険料を支払えば解約返戻金の返戻率が上がるんです
というものです。
これについても、すでに投下した保険料は回収できないので、
いまの状況に保険の内容と保険料のバランスがマッチしていないのであれば、
解約返戻金の率を気にすることなく解約するのが経済的に合理的だと言えます。
いずれのパターンにも共通する問題があります。
これ以上、成果がないとわかっているけど、もったいなくて続けてしまう
という点です。続けていて成果や意味があればいいんですけどね。
解約返戻金の率の設定なんかは、保険会社がこのへんのサンクコスト効果を意識して
心理的に解約しにくいように設定されていると思われます。
なぜこんな現象が起きるのかというと、無意識のうちに自分の行いに対して
見返りを求めてしまう
からだそうです。サンクコスト効果のことを知って、合理的な判断ができるようになりたいですね。
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