住宅ローン 月々の返済金額から借りれる金額を考える

お世話になります。中西です。

昨年12月に日銀が長期金利の上限引き上げを発表し、住宅ローン金利の上昇が現在懸念されています。

住宅ローン返済中の方は家計負担に直接影響がありますよね。

一方で住宅金融支援機構が運営するフラット35(旧住宅金融公庫)は、全期間固定金利型住宅ローンですので、市中金利が途中で上がっても影響を受けません。

今回はフラット35の特徴を解説し、借入額を月の返済額から計算します。

1. 【住宅ローン】フラット35とは?

フラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して融資を行う住宅ローンです。

住宅金融支援機構は、国土交通省と財務省が所管する独立行政法人です。

フラット35の商品概要は以下のとおりです。

特徴は、全期間固定金利型住宅ローンである点です。

 

出所:住宅金融支援機構「【フラット35】のご案内」

出所:住宅金融支援機構「【フラット35】のご案内」

住宅金融支援機構「【フラット35】のご案内」より

過去の民間金融機関の住宅ローンの推移を見ると、過去30年間に金利が大きく変動しています。

全期間固定金利型住宅ローンは、インフレや市中金利の上昇が発生しても借入金利と返済額が固定されているので、将来の見通しを立てることが可能です。

2. 【住宅ローン】フラット35を利用した時の月の返済額と借入額

フラット35は、返済期間によって金利の範囲が異なります。

先月2023年1月時点の最頻金利は「15~20年」で年1.520%、「21~35年」で年1.680%です。

出所:住宅金融支援機構「【フラット35】」

2022年4月26日に公表された国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」 によると、住宅ローンの平均的な返済期間はリフォーム住宅を除いて約30年です。

また、毎月の返済額は、住宅の種類によって異なります。

出所:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」をもとに筆者作成

国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」

では、「返済期間を30年、融資金利1.680%」と仮定し、住宅の種類別に住宅金融支援機構「かんたんシミュレーション」にて、毎月の返済額から借入可能額を計算します。

リフォーム住宅の場合のみ返済期間15年、融資金利1.520%で計算します。

※上記の最頻金利は2023年1月時点のものであり、今後の情勢や取り扱う金融機関によって変動する可能性があります。

2.1 注文住宅を購入、毎月の返済額11万6000円

以下の条件で借入可能金額を計算します。

この場合、借入可能金額は3278万円です。

2.2 分譲戸建住宅を購入、毎月の返済額10万5000円

以下の条件で借入可能金額を計算します。

この場合、借入可能金額は2967万円です。

2.3 分譲マンションを購入、毎月の返済額12万5000円

以下の条件で借入可能金額を計算します。

この場合、借入可能金額は3532万円です。

2.4 中古戸建住宅を購入、毎月の返済額8万3000円

以下の条件で借入可能金額を計算します。

この場合、借入可能金額は2345万円です。

2.5 中古マンションを購入、毎月の返済額8万4000円

以下の条件で借入可能金額を計算します。

この場合、借入可能金額は2374万円です。

2.6 リフォーム住宅を購入、毎月の返済額5万7000円

以下の条件で借入可能金額を計算します。

この場合、借入可能金額は916万円です。

※上記はあくまでシミュレーションとなりますので、諸費用等で金額が変わる場合があります

 

3. 【住宅ローン】フラット35に向いている人

フラット35に向いている人の特徴を紹介します。

以下の3つに当てはまる人はフラット35に向いています。

全期間固定金利型住宅ローンですので、市場金利が上昇しても家計負担は増えません。

自営業やフリーランスであっても、勤続年数や年収に関する審査が民間金融機関より厳しくない可能性があります。

フラット35は団体信用生命保険(団信)の加入は任意ですので、健康上の問題で団信に加入できない場合でも利用できます。

4. 自分に合った住宅ローンの選択を

住宅購入の際に多くの方が住宅ローンを利用することになると思います。

フラット35は、全期間固定金利型住宅ローンであり、金利が変動しない点が特徴です。

長期の固定金利は民間金融機関ではリスクが高く、提供が難しいですが、フラット35では住宅金融支援機構がリスクを取ることで実現可能になっています。

家計やライフプラン、価値観などと照らし合わせてニーズが合えば検討しても良いかもしれませんね。

 

2023-02-20