おひとり様の貯蓄状況は?この先の時代を生き抜くカギは?

国立社会保障・人口問題研究所の調査では、2040年には単独世帯が4割に増える予測がなされています。

これは65歳以上の単独世帯についても同様の見込みです。

おひとりさまのみなさんは、「老後はひとりで気楽に過ごすから、夫婦世帯ほど貯蓄は必要ないだろう」「ひとりだからこそしっかり老後に備えたい」など、さまざまな考えをお持ちでしょう。

今回は、シングル世帯の貯蓄事情に迫ります。

おひとりさま「貯蓄ゼロ世帯」は何パーセント?

まずは、金融広報中央委員会「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」から、世代ごとの「貯蓄ゼロ世帯(金融資産非保有世帯)」の割合を見ていきます。

■【世代別】単身世帯「金融資産非保有」の割合

調査対象全体:36.2%

単身世帯では、貯蓄ゼロ世帯がとても高い割合で存在することが分かります。

とりわけ20歳代、そして定年間近である50歳代が高く、いずれも4割程度が無貯蓄である、ということになるようです。
続いて、「貯蓄額が100万円に満たない」の単身世帯を含めた割合についても見ていきます。

■【世代別】単身世帯「金融資産非保有」+「金融資産100万円未満」の割合

調査対象合計:53.4%

60歳代は多くの人が年金生活をスタートする時期ですが、その時点で単身世帯の4割弱が「貯蓄が100万円に満たない」状態です。

30代・40代の働き盛りの時期に、貯蓄・節約への意識をいかに持てるかも大切になりそうですね。

さて、高収入であれば貯蓄もスムーズに進むのでは?と考える方も多いでしょう。

年収と貯蓄の相関性についてご案内します。

 

おひとりさま世帯「年収が多ければ、貯蓄も多い?」

収入が多ければ、貯蓄額も多いのでしょうか?同調査から「年収ゾーンごとに「貯蓄ゼロ」の割合を見ていきましょう。

■【年間収入別】単身世帯「金融資産非保有」の割合

「金融資産非保有(貯蓄ゼロ)」の割合は、1200万円以上世帯で25.0%。一方、500万~1000万円未満世帯では18%台です。

決して「年収と貯蓄額は連動する」「稼ぎが多ければ貯金も多い」とは言えないことが分かります。

収入が増えて生活レベルが上がることはある意味自然なことではあります。また、社内で昇進する、ビジネスが軌道に乗る、などは喜ばしい反面、お付き合いなどの出費が増えるケースもあるでしょう。

一度慣れた生活レベルを下げることも簡単ではありません。稼ぎが増えれば、ついつい財布の紐は緩みがち。「潤うとき」こそ、家計管理はしっかりと意識しておく必要がありそうです。

同調査では、老後に向けて貯蓄をどのくらい用意しておきたいか、についても問うています。年収ゾーン別のデータを見てみましょう。

■【年間収入別】単身世帯「年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」

一部例外を除き、ほとんどの年収ゾーンで平均額は2000万円を超えています。やはり、ひとりだと誰にも頼れないからなおさら余裕を持って準備しておきたい、と考えている方が多いのでしょう。

では、資産作りを軌道に乗せるためにはどのような工夫が必要なのでしょうか?

 

「ひとりでも安心したい!」資産づくりを軌道に乗せる3つのポイント

ひとり暮らしのセカンドライフが、安心感の高いものとなれば理想的ですね。やはり、老後の資金はていねいに準備しておきたいものです。

ここで、老後に向けた資産づくり作りを軌道に乗せるいくつかのポイントをお伝えします。まず視野に入れていただきたいのが、「お金に働いてもらう」、資産運用の活用です。

超低金利が続くいま、預貯金につく利息はごくわずか。残念ですが資産を育てることには繋がりにくいです。

そこで、資産運用で複利のメリットを生かし、お金を効率よく増やすためのしくみ作りを検討してみることをお勧めします。複利は「利子が利子を生む」「雪だるま式に資産を増やす」などと例えられますね。

複利のメリットを最大限に活かし、上手に資産運用を進めるための3つのポイントをお伝えしましょう。

■ポイント①「伸びしろがある資産」に着目

この先も経済成長が見込める先に投資している金融商品(=成長資産)を選びましょう。世界株式などはその好例です。

■ポイント②「長期積立」でコツコツ運用を

金融商品には日々の値動きがつきものです。大きく利益が出る可能性がある反面、大きな損が出る可能性もあります。

一括で大きな金額分を購入した場合、相場が下がったときに大損が出ることも。

毎月、同じ金額分を長期で積立てていき、「時間」を分散させることもポイント。値動きの影響を受けにくくなり、運用益の安定につながります。

■ポイント③「投資と保障のバランス」を意識する

働き盛りの時期であっても、健康状態や勤務先の経営状態などで収入が著しく下がったり、無収入になる可能性は誰にでもあります。

資産運用どころか日々の暮らしにも困る事態は避けたいものです。自然災害や感染症といった不可抗力に対しても、正しく恐れて構えておく必要があるでしょう。

こうしたリスクを、保険商品でカバーする視点も大切です。健康状態などに応じて、投資と保障のバランスについても見直していけるといいですね。

セカンドライフの安心は、まず正しい情報収集から!

セカンドライフの安心を送るためには、早いうちからの対策がカギを握ります。

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなどの認知度も高まるいま。マネー誌やウェブサイトでは、資産運用に関する多くの情報が発信されています。

正しい情報を取捨選択し、ご自身に合う金融商品・運用スタイルを見つけていきましょう。

2022-02-14