Author Archive
既に先月(10月)から変わったお金のルール5選
10月から変わる「お金のルール」5選
11月に入り、気候だけでなく私たちのお財布事情にも変化が訪れています。
なぜなら今年(2025年)は最低賃金の改定や年金の手取り額調整など、暮らしに直結する制度変更が目白押しです。
中でも注目したいのが以下の5つ。
- 最低賃金
 - 年金の手取り額
 - 後期高齢者医療制度の自己負担額
 - 生活保護の特例加算
 - 学生アルバイトの扶養条件
 
それぞれのポイントを、分かりやすく整理していきましょう。
1. 【最低賃金】全国平均1121円へ
2025年度の最低賃金は全国平均で1121円(前年比+66円)となります。
地域ごとに適用日は異なりますが、北海道・東京・神奈川・大阪など、多くの県で10月上旬から中旬にかけて実施済です。
働く人にとっては収入アップにつながりますが、事業者側にはコスト増となるため、社会全体に少なからず影響が出そうです。

2. 【年金】10月支給分から手取り額が変わった人も
10月15日支給分から、年金の手取り額が変わる方が出てます。
これは「仮徴収」と「本徴収」という仕組みのため。
- 4月・6月・8月までは前年2月の金額をベースに仮徴収
 - 10月以降は前年の所得が確定し、本徴収として調整
 
このため、10月の支給分から実際の所得に応じて天引き額が変わり、手取り額に影響が出るのです。

3. 【後期高齢者医療】自己負担額の上限が終了
75歳以上の方が加入する「後期高齢者医療制度」では、2022年から一部の方が1割→2割負担へと移行しました。
ただし配慮措置として、外来診療の負担増は「月3000円まで」に抑えられていましたが、その特例は2025年9月で終了。
10月以降は自己負担額が増えるため、医療機関をよく利用する方は特に注意が必要です。

出所:厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」
4. 【生活保護】生活扶助特例加算が引き上げ
2025年10月から、生活保護の生活扶助における特例加算が1人あたり月1500円へと増額されます。
2023年に導入された特例加算(当時1000円)からの引き上げで、例えば3人世帯なら月4500円の上乗せ。
臨時的な措置ではありますが、生活を支える大切なサポートになります。
5. 【学生アルバイト】扶養条件が緩和
これまで「年収130万円未満」でなければ親の健康保険の扶養に入れなかった学生アルバイト。
2025年10月からは、19歳以上23歳未満の学生を対象に、条件が「150万円未満」まで緩和されています。
学業とアルバイトを両立する学生にとっては、安心して働きやすくなる制度改正です。
詳細は日本年金機構HP
まとめ
こうして見てみると、最低賃金アップから年金、医療費、生活保護、そして学生の扶養条件まで、10月は幅広い世代に関わるお金のルールが変わります。
さらに、自動車保険料の値上げや電気代補助の終了、食料品の値上げなど、生活コストに関わるニュースも沢山出てきていますしその流れは暫く続く可能性もあります。
「知らなかった…!」で損をしないためにも、制度変更にはアンテナを立てておきたいですね。
ロコステ出店します!

11月3日 ダイヤ工業さん主催のロコステフェスティバルに出店してきます!
良かったら見に来てください!!
真備公民館講座を開催しました!
真備公民館にて、『楽しく学ぼう!「修活」と「円満相続」』講座を全三回で開催いたしました。
- 第1回目 カードDe相続 カードゲームをしながら楽しく円満相続になるような対策を学びます。
 - 第2回目 お子さまとの関わり方や食事の大切さの学びと家計図について楽しく学べます。
 - 第3回目 裁判所こぼれ話 裁判所にまつわる「知らない。」ことをたくさん学べます。
 


受講者同士でもお話し出来る時間があり、みなさんで、各ご家庭のお話もお互いにされていたようで、世代が違っても「相続」のお悩みは親の側、子どもの側とどちらもあるのだといつも気づかされます。
こういった公民館での講座が何かみなさまのお役にたてればと思います。
円満な相続になるよう早めの対策をお願いします。そんな対策が今から出来るのか?ご相談が出来ます。お気軽にお越しください。お待ちしております。
杉本でした(^^)/
「争族」を避ける遺言書の書き方:専門家が教える確実な財産の特定と「検認回避」の最善策
確実な「最後のメッセージ」を届けるために
皆さん、こんにちは!
相続ドックの末藤です。
突然ですが、皆さんは「遺言書」について考えたことがありますか?
遺言書は、ご自身の大切なご家族への「最後のメッセージ」であり、残されたご家族がスムーズにその後の手続きを進め、争うことなく安心して暮らしていくための、とても大切な準備です。
前回は遺言書の基本的な種類と特徴について解説しましたが、今回は一歩踏み込んで、「せっかく作成した遺言書を確実に実行し、後々の争いを未然に防ぐ」ための具体的な方策に焦点を当てます。
残念ながら、民法に定められた形式を満たしていないと、その遺言は無効になってしまうこともあります。ご自身の想いを確実に実現し、ご家族の負担を最小限にするための具体的な準備を確認しましょう。
1.「争いを防ぐ」ための専門的な書き方:なぜ専門家が必要なのか
「遺言書は自分で書けるから大丈夫」と思いがちですが、専門家のアドバイスは、より確実で、ご自身の想いを正確に伝える遺言書を作成するために不可欠です。
★ 専門用語を正しく使い、解釈の争いを回避する
遺言の文言の意味が不明な場合には効力が生じないおそれもあります。
できる限り疑義が生じないように法律用語を用いるべきです。
例えば、単に「土地をあげる」と記載するのではなく、「土地を相続させる」あるいは「土地を遺贈する」といった専門用語を正しく使うことで、後々の解釈の争いを未然に防ぐことができます。
★ 財産を正確に特定し、漏れをなくす
誰にどの財産を相続させるか、遺贈するかについて間違って記載されたり、財産の一部が漏れてしまったりすると、せっかく遺言をしても不本意な結果となってしまいます。
専門家は、不動産や預貯金、株式などの財産を、登記簿謄本の記載通りに明確に記載できるようサポートします。
- 不動産: 登記事項証明書を確認して、所在、地番等明確に記載します。
 - 金融財産: 預貯金については金融機関名、支店名、口座番号等によって特定できるように記載します。
 - 財産目録の作成支援: 不動産等の資産のみならず、借入金などの負債も含めた、正確で漏れのない財産目録の作成もお手伝いします。
 
(財産目録については、自筆証書遺言であっても自筆である必要はなく、通帳のコピーなどを添付する方法でも良いとされていますが、その場合は毎葉に署名、押印が必要になります。)
★ 最適な方式を選択する
お客様一人ひとりの状況や財産の内容に合わせて、どの遺言書の方式が一番適しているかを判断し、アドバイスします。
2.残された家族の負担を大きく軽減する「検認回避」と「遺言執行者」の活用
遺言書が残されていても、その方式によっては、家庭裁判所での「検認(けんにん)」という手続きが必要となり、時間や手間がかかってしまいます。
この負担を避け、相続手続きを迅速かつ円滑に進めるための具体的な方法をご紹介します。
★ 検認を不要にする二つの確実な方法
自筆証書遺言や秘密証書遺言は、原則として家庭裁判所の検認が必要ですが、以下の方法を採れば、検認の手続きを回避できます。
| 方式 | 検認の要否 | 特徴とメリット | 
|---|---|---|
| 公正証書遺言 | 不要 | 公証役場の公証人が関与するため、無効になるリスクが非常に低い、最も確実で安心できる方法です。原本が公証役場に保管されるため、紛失や偽造・変造の心配もありません。 | 
| 自筆証書遺言 | 原則必要 | 法務局の「遺言書保管所」に預けている場合は検認が不要です。手軽に作成できる自筆証書遺言の良さを保ちつつ、紛失や偽造・変造のリスクを防ぎ、手続きを迅速化できます。 | 
★ 遺言執行者を指定し、手続きの迅速化を図る
遺言書の中で「遺言執行者」を指定しておけば、相続が発生した後の手続き(預貯金の解約や不動産の名義変更など)をスムーズに進められます。執行者が手続きを担うことで、残されたご家族の負担を大きく軽減し、迅速な相続手続きが期待できます。
- 相続人が一人の場合でも重要: 法定相続人が1人の場合でも、残された相続人が相続手続を行うために必要な書類を取得したり、多くの時間を費やさなければならないことがあります。相続人が海外で仕事をしているなど、迅速な対応が困難な状況では、遺言執行者に相続手続を行ってもらうことで、相続人の負担を軽減し手続きを容易に行うことができます。
 - この場合、特に検認手続が不要な公正証書遺言をお勧めします。また、相続人に意思能力が認められない場合でも、遺言執行者がいることで、迅速な相続手続が期待できます。
 
3.公正証書遺言の最新情報:デジタル化による利便性向上
公正証書遺言は、最も確実な方法として推奨されますが、近年、その手続きの利便性がさらに向上しています。
「民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」による改正により、公正証書作成に係る一連の手続についてデジタル化が図られています(令和7年10月1日施行!)。
具体的には、オンラインでの申請や、公証人が申出を相当と認める場合にウェブ会議の方法での陳述や内容確認が可能になります。さらに、公正証書の原本の作成・保存が電磁的記録によることが原則となり、利便性が向上しています。
まとめ:未来の安心のために、今できる最善の準備を
遺言書は、ご自身の未来だけでなく、ご家族の未来への「思いやり」の形です。せっかく作成しても、無効になってしまったり、内容が不明確なために争いの種になってしまっては、ご自身の想いが伝わりません。
遺言をする際には、専門家に相談をして、3つの方法(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)のうちどの方法を選択するのがよいか、遺言の各条項をどのように記載するのがよいか十分に検討することをお勧めします。
「どんな遺言書が良いのだろう?」「うちの場合はどうしたらいいの?」など、少しでも遺言書についてお考えでしたら、まずは一度、相続ドックまでお気軽にご相談ください。
未来の安心のために、私たちと一緒に最善の準備を始めましょう!
亡くなった人の年金はどうなるの?「未支給年金」の受け取り方をやさしく解説
家族が亡くなったとき、遺族はお葬式の準備や役所への届け出、銀行や保険の手続きなど、やらなければならないことがたくさんあります。その中で意外と忘れやすいのが「未支給年金(みしきゅうねんきん)」です。
これは、亡くなった方が本来もらえるはずだった年金を、遺族が代わりに受け取れる制度のこと。知っておけば安心できる大切なお金です。
1. 「未支給年金」ってなに?
簡単にいうと、亡くなった月までの年金が「未支給年金」です。
たとえば、偶数月(2・4・6月など)には、2か月分の年金がまとめて振り込まれます。もし振り込み前に亡くなった場合、その分は「未支給年金」として、遺族が請求できるのです。
また、亡くなった方がまだ請求していなかった年金(老齢年金・障害年金など)も、手続きをすれば受け取れる場合があります。
2. 誰が受け取れるの?
受け取れるのは、亡くなったときに同じ家で暮らしていた家族です。受け取る順番も決まっていて、優先順位は次のとおり。
- 配偶者(夫・妻)
 - 子ども
 - 父母
 - 孫
 - 祖父母
 - 兄弟姉妹
 - その他の親族(3親等以内)
 - たとえば、妻がいる場合は妻が受け取り、子どもや親は受け取れません。同じ順位の人が複数いる場合は、代表して1人が手続きをします。

日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」 
3. いくらもらえるの?
もらえる金額は亡くなった時期によって違いますが、必ず1か月分は受け取れます。
「亡くなった日が月の初めか終わりか」で日割り計算されることはなく、1か月分まるごともらえるのがポイントです。
税金については「相続税」ではなく「所得税の一時所得」にあたります。ただし、一時所得には 50万円の特別控除 があるので、多くの場合は申告不要。心配なときは税務署に相談すると安心です。
4. 手続きの流れと必要書類
未支給年金は、5年以内 に請求しないと受け取れなくなります。なるべく早めに動きましょう。
準備するものの一例は以下のとおりです。
- 未支給年金請求書
 - 故人の年金証書
 - 故人の住民票除票
 - 請求者との関係がわかる戸籍謄本
 - 請求者の住民票
 - 振込口座の通帳(コピー可)
 
必要書類は人によって少し違う場合もあるので、事前に年金事務所で確認するのがおすすめです。
手続きしてから実際にお金が振り込まれるまでは、だいたい4〜5か月かかります。
5. まとめ
「未支給年金」は、亡くなった方がもらえるはずだった年金を遺族が受け取れる制度です。
- 受け取れるのは同居していた家族(優先順位あり)
 - 必ず1か月分はもらえる
 - 税金は相続税ではなく一時所得扱い(多くは申告不要)
 - 請求期限は5年以内
 
相続やお葬式の手続きで気が回らないことも多いですが、忘れずに申請すれば、遺族の生活の支えになります。
不安があるときは、遠慮なく年金事務所や「ねんきんダイヤル」に相談してみてください。
「くらしにまつわるお金のあれこれ」セミナー
倉敷男女共同参画推進センターさん主催のセミナーで講師を務めさせていただきました。
「くらしにまつわるお金のあれこれ」~我が家の家計管理は大丈夫?~のタイトルでした。

【講座の様子】
ファイナンシャルプランナーの 2 人の講師の掛け合いで、家計管理のポイントや貯蓄の重要性、教育
費の現実、老後費用の目安、保険の見直し等を教えていただきました。モデルファミリーのライフプラ
ンシミュレーションを、実際に数字を見ながら分かりやすく学ぶことができました。
参加者の方からの感想をいくつか紹介します。
・ライフプランの作成方法や家計の見直しを知れてよかったです。
・興味はあったが、自分で調べてもよく分からなかったので非常に勉強になりました。またこのような
 セミナーを開催して欲しいです。
・家計改善のためのアドバイスがあって意識改善にもなりました。
・お金に関することをじっくり考える時間は日常生活の中ではあまりなかったので有意義な時間でした。
 ライフプランシミュレーションで実際に具体的な数字で「見える化」されていて、とても役立つものだ
 と実感しました。
・後半部分は少し難しかったですが、2人の講師の掛け合いが良く、楽しく受講できました。モデルフ
 ァミリープランを見て、何歳でどの くらいのお金がかかるのかが分かって参考になりました。
以上倉敷男女共同参画推進センターHPより
FPとしてライフプランの重要性を知っていただき、家計管理の方法として実践してしてもらえると嬉しいです!
By:濱尾
弊社ではライフプランの相談を実施していますので
下記からお気軽にお問い合わせください。
https://okayama-fp.com/consultation.html
【潜在ニーズを引き出すライフプランセミナー】
こんにちは、加藤寿典です。
先日、潜在ニーズを引き出すライフプランセミナーを行いました。
一風変わった内容で、FPでこのようなことをしている人はめずらしいと思いますが、ご参加いただいた方には好評だったように思います。
弊社ではライフプランを中心に考えて、本当に必要な保障や運用、節約等を提案することが多いです。ライフプランシミュレーションの見える化で、具体的な保障額、将来必要なお金がわかってきます。そうすることで、不安を安心に変えることができます。
潜在ニーズを引き出すライフプランセミナーでは、安心のその先を目指した内容になっています。夢や目標を明確にすることで、より具体的なお金の使い方を考えることができます。夢や目標が明確になれば、ご自身のやる気がアップし、お金も大事に使えるようになります。そして、夢や目標の実現に向けて進むことができます。
ご参加いただいた方には、お伝えした内容を取り組んで頂けると嬉しいです。取り組むことで夢や目標が実現しやすくなると思います。

”エンディング産業展2025” に出展しました!!

去年は、来場者として参加しましたが、今年は出展して、さらに”相続ドックでの活動強化”を目指しました。さまざまなエンディング産業にまつわる企業が”有明GYM-EX”へ集結!
来場企業さま出展企業さま共に、積極的に各ブースに話しかけられていて、来年はさらに出展者数が増えていくのか?と期待しています。
それにしても、今年は以前にも増して、各企業の演出やブースの展示物の工夫が見られたことや、商品もさらにグレードupしていたと感じました。「1年でこんなに?」というほど、素敵なアイデアの商品だったり、展示物の演出が素晴らしくて驚かされます。
また、「デヴィ夫人の生前葬」神田うのさんとはるな愛さんの「弔辞」もデヴィ夫人への想いがこもっていてとてもよかったです。今まで知らなかった、デヴィ夫人のさまざまなご活躍をお伺いし、今までよりもっとファンになりました。
ご来場、ご出展されている企業の方々とお話が出来て、非常に勉強になり、関心いたしました。いつかご縁をいただけたらと思います。

セカンドライフをイキイキ生きるための生涯学習”さくらで修活。”を立ち上げた、「音楽の砦」ボイストレーナーの松原 徹先生や、「トコトコオフィス」名畑俊子先生もいっしょにご参加いただきました。ありがとうございました。
鷹取醤油株式会社さんのお醤油(お供え等)なども展示させていただき、壁にかかった”印半被”もステキでした。ご協力いただきありがとうございました。

今後も引き続き相続でのご相談でみなさまのお役に立てれるよう、スタッフ一同精進してまいります。よろしくお願いいたします。
杉本でした(^^)/
もしもの時に備える!後悔しない「遺言書」作成で家族に安心を贈るには?
皆さんは「遺言書」について考えたことがありますか?「まだ早い」「うちは揉めることなんてないから大丈夫」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、遺言書は、ご自身の大切なご家族への「最後のメッセージ」であり、残されたご家族がスムーズにその後の手続きを進め、争うことなく安心して暮らしていくための、とても大切な準備です。
もし、遺言書がない場合、民法に定められたルール(法定相続)に従って遺産が分けられるのが原則です。ただ、「お世話になったあの人に財産を残したい」「相続人が一人しかいないけれど、残された家族に手間をかけさせたくない」といった、ご自身の想いを実現するためには、遺言書が必要不可欠なのです。
そして、せっかく遺言書を作成しても、民法に定められた形式を満たしていないと、残念ながらその遺言は無効になってしまうこともあります。
今回は、遺言書の種類とその選び方のポイントを、分かりやすく解説します。
皆さまもこの記事を参考に、是非準備してみてください。
——————————————————————————–
遺言書の種類と、それぞれの「良い点・注意点」
遺言書には、主に3つの方式があります。それぞれの特徴を知って、ご自身の状況や目的に合った最適な方法を選びましょう。
1. 自分で書く「自筆証書遺言」
◦ 【良い点】
▪ 最も手軽で、作成費用がほとんどかかりません。
▪ ご家族に内容を知られることなく、秘密に作成・保管できます。
◦ 【注意点】
▪ 遺言書の「全文」「日付」「氏名」を、すべてご自身で書く必要があります(パソコンでの作成は原則として認められません)。ただし、財産目録については、通帳のコピーなどを添付することも可能ですが、その場合は目録の全てのページに署名・押印が必要です。
▪ 書き方に不備があると無効になったり、紛失・偽造・変造のリスクがあります。
▪ 遺言書の執行には、原則として家庭裁判所での「検認(けんにん)」という手続きが必要になります(法務局の「遺言書保管所」に預けている場合は不要です)。
2. 公証役場で作成する「公正証書遺言」
◦ 【良い点】
▪ 公証役場の公証人が関与して作成するため、法律の専門家が内容を確認してくれます。そのため、無効になるリスクが非常に低い、最も確実で安心できる方法と言えます。
▪ 原本が公証役場に保管されるので、紛失や偽造・変造の心配がありません。
▪ 家庭裁判所の「検認」が不要なので、相続手続きを非常にスムーズに進められます。
▪ 最近では、オンラインでの申請やウェブ会議の利用、電子記録での作成・保存といったデジタル化も進んでおり、手続きの利便性が向上しています。
◦ 【注意点】
▪ 作成に費用がかかります。
▪ 公証役場に出向く必要があり、証人2人以上の立ち会いも必要です。(ただし、病気などで出向けない場合は、公証人に自宅や病院に来てもらうこともできます。)
3. 内容を秘密にできる「秘密証書遺言」
◦ 【良い点】
▪ 遺言書があることは明らかにしながら、遺言の内容を他人に秘密にできます。
▪ 本文を自分で書かなくても作成可能です(代筆やパソコンでの作成も可能)。
◦ 【注意点】
▪ 遺言の内容について公証人が関与しないため、後で解釈に問題が生じる可能性があります。
▪ 家庭裁判所での「検認」が必要です。
——————————————————————————–
なぜ専門家と一緒に遺言書を作るべきなのか?
「遺言書は自分で書けるから大丈夫」と思いがちですが、専門家のアドバイスは、より確実で、ご自身の想いを正確に伝える遺言書作成のために不可欠です。
• 最適な方式の選択: お客様一人ひとりの状況や財産の内容に合わせて、どの遺言書の方式が一番適しているかを判断し、アドバイスします。
• 不明確な表現の回避: 「土地をあげる」ではなく「土地を相続させる」「土地を遺贈する」といった専門用語を正しく使うことで、後々の解釈の争いを未然に防ぎます。
• 財産の正確な特定: 不動産や預貯金、株式など、どの財産を誰にどのように残したいかを、登記簿謄本の記載通りに明確に記載できるようサポートします。
• 「遺言執行者」の指定: 遺言書の中で「遺言執行者」を指定しておけば、相続が発生した後の手続き(預貯金の解約や不動産の名義変更など)をスムーズに進められます。これにより、残されたご家族の負担を大きく軽減し、迅速な相続手続きが期待できます。特に相続人がお一人だけの場合でも、手続きの迅速化に大いに役立ちます。
• 財産目録の作成支援: 不動産や預貯金、株式などの資産だけでなく、借入金などの負債も含めた、正確で漏れのない財産目録の作成をお手伝いします。
——————————————————————————–
まとめ:未来の安心のために、今できること
遺言書は、ご自身の未来だけでなく、ご家族の未来への「思いやり」の形です。せっかく作成しても、無効になってしまったり、内容が不明確なために争いの種になってしまっては、ご自身の想いが伝わりません。
私たちの事務所では、お客様一人ひとりのご意向やご家族の状況を丁寧にヒアリングし、「争いを防ぎ、ご自身の想いを確かに次世代に繋ぐ」ための遺言書作成を全面的にサポートいたします。
漠然としたお悩みでも構いません。
「どんな遺言書が良いのだろう?」「うちの場合はどうしたらいいの?」など、少しでも遺言書についてお考えでしたら、まずは一度、お気軽にご相談ください。
未来の安心のために、私たちと一緒に最善の準備を始めましょう。
年金制度改正法案の成立で・・
次回の年金支給日は8月15日。
「みんなはどんな風に年金生活を送っているんだろう?」と、ふと気になる方もいるのではないでしょうか。
今回は、総務省の家計調査など最新データをもとに、65歳以上の無職夫婦世帯の家計状況や平均年金額、貯蓄の内訳を解説するとともに、2025年に成立した年金制度改正のポイントをわかりやすくご紹介します。
「いつから変わるの?何が変わるの?」といった素朴な疑問にもお答えしながら、今後の資金計画を見直すきっかけとしてご活用いただければ幸いです。

1.【年金制度の改正】いつから?何がどう変わる?ポイント解説
2025年6月13日に「年金制度改正法」が成立しました。
この改正は、働き方の多様化や家族構成の変化に対応するもので、老後の生活をより安定させるための支援強化や、私的年金制度の見直しなどが盛り込まれています。
主な改正内容を整理してみましょう。
- 社会保険の対象範囲が広がる
短時間労働者への適用条件が緩和され、「年収106万円の壁」が解消される方向へ。 - 在職老齢年金の支給基準を緩和
支給停止の基準額が「月51万円 → 月62万円」に大幅緩和(2025年度は月51万円)。 - 遺族年金制度の見直し
男女間の格差が是正され、子どもが遺族基礎年金を受け取りやすくなる。 - 保険料・年金額の基準となる賃金の上限引き上げ
標準報酬月額の上限が65万円から75万円へ段階的にアップ。 - 私的年金制度の強化
iDeCoの加入年齢が引き上げられ、企業型DCの拠出限度も拡充へ(いずれも数年内に実施予定)。 
これらの改正は、公的年金が「働き方」や「ライフプラン」と密接に関わっていることをあらためて示しています。
2.【65歳以上の無職夫婦世帯】年金だけで暮らせるの?
総務省が発表した「2024年家計調査」によると、65歳以上の無職夫婦世帯の月平均収入は25万2818円。
そのうちおよそ9割、22万5182円は年金などの社会保障給付です。

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
■支出の内訳(2024年)
- 消費支出:25万6521円
 - 非消費支出(税金・社会保険料など):3万356円
 - 合計支出:28万6877円
 
もっとも大きい支出項目は食費(7万6352円)で、エンゲル係数は29.8%。
その結果、毎月の赤字は3万4058円にのぼります。赤字分は主に貯蓄を切り崩すことで補われていると考えられます。
3. 【シニア世帯の貯蓄】増えている?資産の中身はどう変化?
65歳以上の無職夫婦世帯の貯蓄額はここ数年で増加傾向にあります。

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
■平均貯蓄額の推移(二人以上世帯)
- 2019年:2218万円
 - 2020年:2292万円
 - 2021年:2342万円
 - 2022年:2359万円
 - 2023年:2504万円
 - 2024年:2560万円
 
特にこの5年間で、342万円増加していることがわかります。
■資産構成の変化(2019年 → 2024年)
増えた資産
- 普通預金などの通貨性預貯金:+258万円(543万円 → 801万円)
 - 有価証券(株や投資信託):+144万円(357万円 → 501万円)
 
減った資産
- 定期預金などの定期性預貯金:▲82万円(941万円 → 859万円)
 
つまり、「定期預金から普通預金・投資商品へ」というように、資産の置き方にも変化が出てきています。
4.【年金額の現実】国民年金と厚生年金、その平均と男女差
厚生労働省「令和5年度年金事業の概況」によると、年金額には大きな個人差があります。
ここでは65歳以上が受け取る年金の平均額を見てみましょう。
■国民年金(老齢基礎年金のみ)
- 平均:5万7584円
 - 男性:5万9965円
 - 女性:5万5777円
 
■厚生年金(基礎年金を含む)
- 平均:14万6429円
 - 男性:16万6606円
 - 女性:10万7200円
出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 
現役時代の加入状況や働き方により、金額にはかなりの開きがあります。
ご自身や配偶者の見込み年金額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で早めにチェックしておきましょう。
また、公的年金には遺族年金・障害年金・繰下げ受給などの制度もあるため、若いうちから基本を知っておくことも、将来への備えになります。
5.【これからの暮らしに向けて】年金と貯蓄から考える生活設計と問題点
ただ今回の年金法案の最大の争点であった【基礎年金の底上げ】については次回(2029年)の財政検証を見て判断する、そして判断基準も明確でなく、肝心な部分は全部先送り感が否めません。
もっというと、基礎年金の底上げは(氷河期世代)等の低年金対策として必須という大義名分でしたが、専門家の話によると多くの低年金者は保険料の未納や滞納期間等でそもそも基礎年金が満額受給では無い為、基礎年金の底上げをしたとて、あまり給付が増えないどころか逆に高所得者や高年金層を含む全加入者の年金を引き上げる為に国庫負担の追加財源を投入する結果なんて事になるぐらいなら別の形(生活保障や住宅政策等)の方が効果があるのでは!というご意見は、成る程!と思いました。
とはいうものの、今回ご紹介したように、年金生活は毎月3万円以上の赤字という現実があります。
一方で、貯蓄は年々増加傾向にあり、資産運用や資産の持ち方にも変化が見られます。
老後の生活を安定させるには、年金だけに頼らず、自身の貯蓄や資産、私的年金の活用を含めたトータルでの備えが必要です。
まずは、自分が将来どれくらい年金を受け取れるかを確認し、世帯単位で家計を見直してみましょう。
将来の不安を「見える化」しておくことで、安心できる老後への第一歩になります。







